大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和34(オ)386 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人中村喜一の上告理由第一点について。

無断転貸が賃借地の一部であつても、全部の解除原因となることは当然であり、

原審認定の事実関係のもとにおいては賃貸人に対する不信行為と目し得ない事情が

あつたものとは認められないとして賃借地全部の解除を認めた原判決は相当であり、

所論は独自の見解であつて採るを得ない。

同第二点について。

借地法一〇条による買取請求権者は地上物件と共に土地賃借権を譲り受け又は転

借した者であつて、転貸人を含まないことは同条の規定上明白であり、また転貸人

に同条を準用すべき根拠もない。所論は独自の見解であつて採得し得ない。

同第三点について。

原審確定の事実関係のもとで被上告人のなした本件賃貸借の解除は権利の濫用で

ないとした原審の判断は正当であり、所論は原審認定に反する事実を前提とするか、

独自の見解に立つものであつて採用し得ない。

同第四点について。

賃貸物の使用者が何人であるかは賃貸人の利害に関係するところが少くなく、賃

借地の使用状況は使用者によつて異なり、その使用状況の如何は賃借地に経済的、

物理的に影響なしとは言い難い。よつて、何等背信性なしとの所論は採用し難く、ま

た、引用の判例は本件に適切でない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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